月に一度の通院の介助で自宅を訪ねたら父親が「シラネアオイを持っていけ!」と言う。外の植木の手入れ台の上にもう用意してある。「沼田だから育つんだろうけど前橋じゃ温かくてダメなんじゃないかな~」と答えると急に寂しそうな顔をした。持って行きたくない訳じゃないけど、枯れてしまうのも目に見えているから勿体無い様な気がして答えたのだけど、そういえば持って行けと言われることなんて今までなかった様に思う。父親の趣味は盆栽や山野草を育てることにある。茶の間や玄関先に花が耐えたことがない。30坪程の庭には県展や市民展に出した盆栽が所狭し状態だ。盆栽愛好家の仲間が時々顔を出してくれて針金かけだの水くれだのを手伝っている。自分がこの方面には全く不調法で、野山を駆け巡ったり写真を撮ったりに現を抜かしているから、父親は本当は寂しいのかもしれない。一年前に脳梗塞を起こしてから思い切って盆栽の数を減らして、茨城の甥っ子たちのもとに送り出したけど、大事にしている何点かはそのままにしているから、どこかで自分に託したいと思っているのかもしれない。シラネアオイ、喜んでもらっていくよと伝えると、表情が明るくなったような気がした。

病院の帰り道はいつもまっすぐに家に戻ることにしていたけど、長く待たされたので気分転換をしたいと思って、途中の農産物直売所に立ち寄るかい?と声をかけると、この店には山野草の良いのがあるんだよ~と元気な声を出している。仕事間に合うか?大丈夫だよ。足取りも軽く店の中へ。野菜類を3点と柏餅、それに山野草3点。ははは動きが軽快だし。貧血の数値が徐々に下がっているので医師の指示で点滴注射をすることになった。注射をした後だったから身体も軽快だったのかもしれない。好きなものがあるから痛みにも耐えていられるのかもしれない。

野反湖の傍に咲くシラネアオイの大群落を見せてあげたいと思ったけど、もうあの場所に立つことは叶わないかもしれないな~と思う。シラネアオイ0605

 

 

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