佐々木貴範写真展「道程-3.11釜石」を見た。
宏くんの写真学校の同期が新宿のコニカミノルタで写真展をやっていると紹介があって、それが釜石に特化した内容だったので、俄然見に行く気になった。660mm✕440mmの大きさで47枚。定点観測という形で撮った5年間が展示されている。
今年6月、鳥海山に撮影に出かけた足を延ばして、シーカヤックに興じたり、夜の飲み屋さんで話を聞かせてもらったり、翌朝早く飛び起きて海岸から山間のお寺までを歩き回ったことが昨日のように思い出される。その一か月後は、フェリーで北海道苫小牧に向かう時に三陸海岸から釜石を眺めた様子も書き記したので、自分にとって釜石は特別の場所になり始めている。シーカヤック専門店MESAの草山氏とはこれからもつながりを持てそうな気がするし、10月初旬にはまた行こうかと思うくらい。写真展を見る前に3.11の津波の時の釜石の様子をyoutubeで見たら、飲み屋の親父さんが話してくれた「あまりにも凄すぎて笑っちゃいましたよ」という言葉が蘇ってきた。
そんなことを思いながら写真をせてもらった。高台に逃れることができた人も運悪く流されてしまった人も、その家族も地域もみんながみんな、大変な思いをしてきた5年間だったこと。未だに行方不明の方がいたり仮設住宅で暮らしている方がいるのに、世の中はすっかり復興が済んだと思い違いをしていること。自分から元気を出さないととても生きていけないと覚悟を決めていることなどが感じられたのでした。会場内で佐々木さんに声をかけようと思っていたのに会えず、写真を撮った動機について話を聞いたり、写真の「時代性」についても考えを聞きたかったので、凄く残念でした。かみさんは来週火曜日から開催される写真展と混同していたようなので、あっという間に終わりましたねと残念がっている。でも、隣で展示中の写真より面白かったのはテーマ性がはっきりしていたからかもしれない。一枚ずつ画題を付けず、最初の一枚に長めの説明文があって、それぞれには撮影日が貼られているだけ。説明文には5年分の経緯をギュッと凝縮してあるし、今後の展望も盛り込まれている。公共工事の進捗状況が作業が遅れていると添えられている。面白い展示方法だと思う。リクエストに応えて車を築地に移動。せっかくだからとお寿司を食べることにした。昼すぎの到着だったから場外だったけど、けっこう美味しくいただいた。海苔と鰹節と蒲鉾を買い求めた。いつもよりも車が少ない都内をのんびりとドライブしながら東京見物。いつも30分はかかる笹目通りの交差点を一度も止まらずに通過できたのが驚き。テリー伊藤の実家の玉子焼きを買って帰宅すると孫娘が来ていて、笑顔で食べてくれたのはなによりでした。
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