診断書には誤嚥性肺炎が直接の原因と記されている。痰の吸引は繰り返しおこなわれ、母はこれをとても嫌がったから、辛く苦しかった闘いを物語るような相貌がみてとれた。でも母の肌の色は白く、豊富な頭髪も白く輝いている。だから、納棺師の手技の素晴らしさに頭がさがった。口元が微笑んだ姿に出来上がり、自分はとても安堵した。ずいぶんきれいになりましたね~。「もともとですよ・・・」と返事が聞こえてきそうだった。好きだった小林幸子の「雪椿」を会場内で流すことにする。自分が学んだ新潟とかみさんの新潟出身とを関連付けていた様で、自宅で「雪椿」をDVD視聴する時はしっかり目を開けていたよと、リハビリ担当の従兄が話してくれた。前日までリハビリは続けられ、母は従兄の話しを良く聞き頑張ったらしい。

くも膜下出血から15年間。同じ病状の方の多くが先立たれる中で、これほどまで長く生きられたのは奇跡としか言いようがないと感じている。ちょうど介護保険法がスタートした年で、母のために法整備されたような錯覚さえ。在宅ケアを中心にすえて、入・退院を繰り返しながらも、ディサービスやショートステイ、訪問看護などをフルに使って、定期的な支援会議が我が家で行われて、常に利用者の最善を求めていく、まさに時代の最先端・現場最前線だった思い出。たくさんの方たちの力を借りて生きられたとも。自分たちは多くのことを学んだ。

父が去年の5月に亡くなり生きる張り合いをなくしたのかもしれない。父が迎えに来たのかもしれないなどと囁かれた。確かに。でも、今年に入ると呼吸がひどく苦しそうな場面があり、声も出なくなったし、耳も遠くなっていた。近くの療養型の施設への転院に向けて妹が下見してきたばかりだったので残念な面もあるけれど、喪主の自分は 母は大往生でした 充分に生きました という思いを胸にして、通夜式、告別式に臨んだのでした。

 

 

 

 

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