三男坊が魚屋に勤務しているので贅沢な時を過ごせる幸せ。丸々と太った上物を年に一度だけ味わうことができる。この美味さが年齢を重ねるに従って分かってきたような気がする。でも、いつの間にか鰻が絶滅危惧種になっていた。偶然かもしれないけど、自分が良いなぁと思ったものが絶滅危惧種に入ることが多いような気がする。滅びゆくものへの先取り感があるのかもしれない。例えば、真空管アンプとか、4×5版カメラと銀塩フィルム、旧六合村のこんこん草履がそうだし、しなの木から縄を綯うのも同じ流れになるのだろうか。
熱しやすく冷めやすいって父母に良く言われた記憶がある。だから良いものをじっくり見極めたい思いがあって、取り組んでみるとそれなりに面白さが付いてくる。勿論夢中になる。でも、絶滅危惧種に分類されるこれらは熱するそばから無くなっていく。漸く辿り着いたところなのに限りなく喪失感が伴う複雑な結果になるのだ。今、夢中になっているカヤックも同じ定めなのかと大いに気になる。
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