朝食を済ませて本格珈琲を楽しんで、予定時間よりも30分早めて出発することにした。夜の間ずっと悩んでいた滑走が始まろうとしている。「出来るだけ頑張ってターンを決めよう!」と気持ちを奮い立たせているうちに、ガイド氏はすいすいと滑走し始めているから必死について行く。写真のとおり、手前の雪面から野反湖まで標高差400m以上を下りていく。タカンボウ尾根の最上部あたりで休憩をとった。見上げると堂岩山とさっきまでいたテン場が見える。黒い木立。ガイド氏からコメツガとトウヒの違いを説明してもらいながら行動食を口に。風もなく穏やか。「太古の静けさ」の真っ只中にいる感じだ。贅沢すぎる静けさ。鳥の声がかすかに聞こえるくらいで。藤島敏男の「山に忘れたパイプ」に書かれた場所がここなんだなぁと実感。じわーっとくる
背中の荷物は重たいままだけど、最終的には2回転倒しただけで済んだ。原因は左まわりの際に右足の外エッジが引っかかること。落ちているコメツガ等の針葉樹の枯れた太枝に乗り上げて転倒とか。でもツリーランが時々出来ていたじゃないかと自画自賛してしまう。「タカンボウ尾根」(3/18up)の2枚目の写真の場所も割りとスイスイと滑走できて満足する。斜滑降とか横滑り直滑降だけでなくなったのでニンマリしてしまう。堂岩沢まで下りてからの登り返しがかなり気になっていたのに、登ってみたら思っていたよりも楽に乗り越えられて405号線にひょっこり出た。3日も天気が続いたこともあって雪解けが進んで、すっかり春めいた野反湖だった。
予定時刻を大幅に短縮して下山した。5kmの雪道をスキーで滑り降りたあとは3kmの除雪された405号線をスキーを抱えてとぼとぼと歩き通した。いつも立ち寄るバーデ六合と違った共同浴場で汗を流した。
今回は今までの撮影行と違ってなにかこころの底から揺すぶられるようなインパクト性のある撮影行になった気がする。A氏の考え方の受け売りも否定しないけれど、「時間を有効に使う」と言う着眼点に立ってみると見るもの聞くものが違ってみえてくるのかもしれない。このことについては改めて。
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