震災後すぐに現地に駆けつける役割が回ってきた。「与えられた使命」と思って喜んで準備に入り、あっという間に完了したのも冬山装備がそのまま生かせたからで、意気揚々としていたのに、命令は下りないまま遂に行く機会もなく終わった。当時は高速道路もずたずたで、食料も寝る場所もガソリンも自前で準備する状況だった。食料は山の店に行けばすぐに手に入り、カップ麺なども大量に用意できたし、コットに冬山用の寝袋にダウン上下とほぼ完璧に出来上がったし、カメラ類の準備も怠りなかった。でも、急激に盛り上がったモチベーションが一気に下降線を辿った後はなかなか回復せず、新年度に突入してバタバタした毎日の仕事に忙殺されるようになった。「現場に行って見てくることが大切なんだ。」と偉い人達は言うけれど、行かなくてもそんなことくらい分かるし、とてもそんな気になれず、憔悴した気持ちのままでいたところにUstreamのウォンさんの生演奏に遭遇した。

ウォンさんの演奏会が前橋である度に必ず聴いていて、会場の入口付近で会員募集受付の仕事をしたり、CD販売を手伝ったりしたことがあるので、演奏家として承知していたり、Twitterでダジャレているのリプライしたこともあるけれど、毎日毎日流れる追悼演奏会に耳を傾けるようになったら、不思議と引き込まれるように聴くようになり、萎えた気持ちも少しずつ回復していく気がした。

自分に出来る事ってなんだろうと考え続けている。ウォンさんはピアノで毎日毎日演奏を続けることで祈りを捧げていた。自分はどうしようと考えて、自分の身近なところで支援できることに力を入れようと考えた。そういう風に気持ちを決めたり自分の考えを持って行動することが広い意味で祈りになると思って。少しずつ力になれるように、主体性とか自主性とかでなくてごくごく自然に、持っているものが光り出すように。上から目線では決してなく、ごくごく自然に。

あれから一年がたった。果てしなく長い時間がこれからも続くことになるだろう。身のまわり、手の届く範囲で、ものを考えていけたら良いと思う。

 

 

 

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